わがまま

ひとりで家にいる夜、ときどきものすごく寂しくなる。

多くはないけど友達もいるし彼氏もいる、離れてるけど家族も元気だし、仕事は忙しいけど楽しい。

なにもかも手にしているはずなのに、なにも持っていないような気持ちになる。恵まれすぎて頭がおかしくなったのだろうか?

 

地元の友達や家族と離れ、上京しないと東京にいけない、という当たり前のことが、18歳の頃からずっと腑に落ちていない。

新しいものを得るために何かを我慢したり捨てたりしなきゃいけない? なんで? 全部欲しいんですけど? というハイパーわがまま娘が、いまだに腹の中にいる。

もちろん少しは大人になった。人と人は適度な距離感がないと、なかなかうまくいかないことも知った。誰かが犠牲になることなく、みんながハッピーになるためには、個々が自立している必要があると思う。

だから強くなろうとがんばって、少しは強くなったから今がある。それなのに寂しい夜があるのはどうしてなんだ、努力の方向性を間違えたのだろうか。ときどき不安になる。

 

せめて、本当はみんな寂しければいいなと思う。寂しいのが自分だけじゃなかったら、ちょっとだけ寂しくなくなるんだけど。