身内

妹に対してあまり怒れない。

それはたぶん、身内特有の後ろめたさによるものだと思う。

普通の友達なら、嫌だと思ったらもう会わなければいいが、そういうわけにもいかない。

そもそも、妹の考え方や性格や行動を形作ったのは家庭環境が大きいはず。だとすればその責任の一端は自分にもあるのだ。

「私がもっとお姉ちゃんらしければ何か違ったのかも」みたいな身内特有の申し訳なさ、後ろめたさみたいなものがあって、そう思うと怒れない。嫌えない。

怒れないので不満が溜まっていく。不機嫌な雰囲気は完全には隠しきれない。私は人を嫌いにならないための手段が「距離を置くこと」なので、逃げる。でも家族なので逃げきれない。だからさらに嫌になる。でも嫌っちゃいけない気がする。だって、大きく見ると自分にも責任があるから。

家族って、身内ってめんどくさいなあと思う。

ベンガルトラとウイスキー

卒業のためのテストとレポートと卒論に追われつつ、引っ越しの準備もしつつ、たまに内定先の用事もありつつ、将来のためのインターンっぽいこともしつつ。

すごく忙しいのに、次に行く場所はもう決まっていて、直近の目標があるわけではない日々に、少し疲れてきた。

漫然と行き詰まりを感じてるとき、andymoriが聴きたくなるなあと気づいた。だから高校時代に1番聴いていたのかもしれない。

 

今日は内定先で健康診断と懇親会があった。同期の一部と結構話せて、なんとなく人間性がみえてきた。美大出身の人、漫画を書いてコミティアに出したりしてる人、出版社でがっつりインターンしていた人、バンドやってる人、色々な国を旅してる人。

普段ゼミや学部のみんなといると、自分が割と変わっているというか、少数派だと感じることが多いけど、同期といるとそんなことないんだなと思った。よく言うと気が合うということだけど、ワンオブゼムだなあとも思った。第一印象からかなり変化した人(内定式のときすごいうるさいなと思ってたらオタクだし漫画書いてた)もいて、嬉しい半分焦り半分だ。みんなすごい。

新しい人と話すと、その人に関する新しい情報がどんどん増えて、イメージが更新されていくスピードが速くて、楽しい。けど、みんなすごすぎて焦る。自分にも同じだけのスピード感がなくてはならないような気もしてしまう。全然そんなわけないんだけど。

元々気が合いそうだった人とはかなり気が合いそうだった。andymoriPUNPEEの話をした。転職の話とかも…。

仲良くなれそうだし、刺激をもらえそうな同期だと思う。もっとみんなのこと知りたい。そして自分は一体なんなんだという気持ちにもなる。いろんなことをうっすらと知ってるから、人の話を聞いて掘り下げるのは割と得意なんだけど、自分に「これ!」っていう何かがない。ずっと悩んでいることだけど、今後さらに悩みそうかも。頑張らなくては、と本当に思う。

マチネの終わりに

先に原作を読んで、最近映画を観ました。

映画のすごいと思ったのは、見終わった後の気分が、原作の読後感とかなり似ていたところ。

ちょっと残念だったのは、(原作厨みたいになってしまうけど)原作を読んで感じた「運命に選ばれた者とそうではない者」との対比、葛藤があまり描かれていなかったこと。

蒔野と洋子という、才能と運命に恵まれ、それゆえに苦悩する「神様に選ばれた側」のふたりと、

どうあがいても彼らのようにはなれないし、彼らを手に入れられないことに苦しみ過ちを犯す「選ばれなかった側」の三谷やリチャード。

蒔野の若い頃の天才ぶりがあまり描かれておらず、しがないギタリスト感が出てしまっていたこと、リチャードの洋子に対する執着を示すシーンがカットされていたこと、三谷が嘘を打ち明ける理由が「嘘を抱えたまま生きるのが辛かった」ではなくなっていたこと、

などの小さな変更によって、彼らの人間性や位置づけがわかりづらくなっていたのかなと思った。長い小説を映画化するのって本当に難しいんだろうなあと感じた。

音楽は本当に良くて、中盤の洋子と移民の女の子へ向けた演奏がラストシーンでも行われるところは、映画だからこそより繋がって、感動した。

でも、だからこそ中盤のシーンも、映画の描写だけではケガをしたアシスタントの女の子が移民だとはわかりづらかったのは惜しいと思った。

それをほのめかすような台詞はあるんだけど、全体的に観る人の行間を読む力に委ねすぎていたと思う。

まあでも、説明過多だとロマンチックな雰囲気が出ないし、雰囲気がかなり大事な作品だけに難しいんだろうなあと…!

なんだかんだ、観た後の気分はとても良く、その点で素敵な映画だと思いました。

読み返す

そろそろ引っ越しを真剣に考えなければならなくなってきて、部屋のインテリアとか整理の仕方に興味がある今日この頃、参考にしたくて以前買った雑誌を読み返した。ギンザのクローゼットスナップ特集と、都築響一さんのtokyo style。

雑誌や本を読み返すって、大人になって時間がなくなるほどしなくなる行為だけど、やっぱりいいなあと思った。最初に読んだ時気にならなかったことが目についたり、良さがわかったり。え、こんなの載ってたっけ!?って思うこともある。最初に読んだ時とは興味関心が違うから、目に入ってくるものが違う。それはすっごく面白い。一回じゃその本の全部はわからない。読むタイミングや人によって全然違う顔を見せるのが、本の面白さのひとつだということを、久しぶりに思い出した。

ツレがうつになりまして

観た。

いい映画だった…。

「この本を作ってくれてありがとう」って言われるような本、作りたいなあ…。

ツレがうつになった一因であるクレーマーおじさんや、うつになったツレに「男なら大黒柱にならないと!奥さんのためにも頑張れや」などと超配慮に欠ける発言をしてた人のことすらも、最後まで否定することなく、「ただ生きているだけで誇らしい」と言ってのけるのは本当にすごいと思った。真の優しさというか。

性差に関するステレオタイプとか、心の病に対する偏見とかを持ってる人のこと、どうしても悪者みたいに思ってしまいがちだけど、その人にはその人の人生があって、、、

そう考えて優しくなれたらいいのだけど、優しい人ばかり傷ついてしまうのも理不尽だと思うし。難しいものである…。

おすすめするのが好き

 

友達にPSYCHO-PASS(アニメ)をおすすめしたら「いまの説明聞いてめっちゃ観たくなった」と言われたのが嬉しかった!

もちろん作品が本当に面白いからこそ説明も面白くなるんだけど、ちゃんと魅力を伝えられたとき、すごく嬉しくなる。

 

ファン

・すじがねファンです!

水曜深夜の番組、最近好きで観てる。

今日は横浜銀蝿ていう昭和のツッパリバンド。初めて知ったのだけどめっちゃかっこいいな〜!聴こ。

ファンの人が言ってた「不良少年だけど、非行少年じゃない」って言葉が良かった。昔のライブの映像とかすごいロマンあった。リアル「今日から俺は!」みたいな。

先週はももクロ早見あかりちゃんだったんだけど、それもとても良かったんだよね。すごい塩対応で言葉足らずなあかりんを、本人が戸惑うほど勝手に気遣って、なぜかずっと好きでいるファン。好きって気持ちが行き過ぎちゃってて逆に面白い、みたいな。ラブで回っている感じがよい。

 

・反抗期

私は反抗期が全くなかったんだけど、他人と喧嘩したり仲直りしたりができない、心の距離を一定以上に詰められない性格は、そういうのも関係してたりするのかな?とふと。

 

・他人の完コピはできない

すっごく尊敬できて、背中を追いかけたくなる人がいて、でもいくら話を聞いて、考え方や行動を参考にしようとしても、まるっきり真似するなんてできない。努力でなんとかなる部分もたくさんあるけど、元々の性質というか「なんとなく」の部分はやはりあると思う。自分になくて相手にあるものを無理して身につけようと悩むより、自分にも取り入れられそうな形で取り入れて、自分の得意な部分を引き立たせるようにしたほうが良いのかもな。と、今日、尊敬してる編集者さんと話してて思った。「cmでも他人の会話でも、日本語は全部耳に入ってきちゃう、聞いちゃう」と言ってて、それは元々の性質を意識して伸ばしたらしい。

「最近すごい(悪い意味?で)気になるcmがある」と、演出や演技に違和感ありありのcmを3本くらい見せられて「ここの演技!あとこの画面の文字もさあ…」と違和感ポイントをめちゃくちゃ細かく挙げてて、確かに言われてみるとそうなんだけど、自分はこれを見てそこまで色々思えないなあとも思った。笑

鍛えていけばある程度身につくとは思うから頑張るけど、とらわれすぎずに自分なりにやっていこうと思う。

例えば、なにかを見て「これ、あの人が好きそうだな」と思い浮かぶ力は、もしかしたら人よりあるんじゃないか。前に自遊人という雑誌を「好きそう」と勧めた子がちゃんとはまっていて、届くべき人のところに届いた感じがして嬉しかった。自分の趣味は多数派でもないしすごく幅が狭いなと思うけど、周りの人たちの色々な「好き」のアンテナを自分の中にストックできたら、良いと思えるものの範囲が広がって素敵なんじゃなかろうか。